空を突くドームとミナレットの数々、バザールの物売りの声とエザーンの響き、スパイスとチャイの香り、色とりどりの絵皿やイズニックタイルの数々、これら全てがつまりイスタンブルなのです。

かつてスルタンが暮らし、帝国全域を支配していたトプカプ宮殿は、ハレムを含め見逃すことができない場所です。数百年前と同じように商いが行われている生きた博物館、グランドバザールも同様です。しかしイスタンブルは歴史の名残を見せるだけにとどまらず、１２００万人の人々に生活の場を提供しています。

“イスタンブル？”“イエス、イスタンブル”

数年前このマンスリーコラムを書き始めたのは、イスタンブルで暮らす経験の中で出会った感情、情景、自然の中の全てのもの、これらに声を与える必要性を感じたからです。このコラムを続けている理由は、一つには毎月このコラムを書くことによって、文化の一端に触れることに価値を感じたからです。もう一つには、このコラムが多くの人々と私を結び付けてくれるからです。トルコだけでなく、世界中から手紙を受け取っています。

これらのコラムの中の最も優れた点は、深い人間性を含み哲学的で、同時にこれがトルコの生活だと思わせるような何かがあるということです。世界で最も誤解されている国の一つであろうこの国を知るために、このコラムは非常に有用であると思います。